秋の気配が漂い始めた夏も終わりの頃、海岸近くの古刹「村松虚空蔵尊」と「大神宮」を訪れた。古代から続く歴史ある寺と神社が並んで建っている珍しいところだ。徳川斉昭公ゆかりの「晴嵐の碑」は小高い丘のうえにあり、そこから太平洋に向かって八間道路と呼ばれている砂地の道が梅につながっている。白砂を踏み、黒松の林の中をのんびり歩きながら太平洋に出た。流木に腰をおろして、水平線を眺めながら大きく深呼吸をした。