奥日光の秋は美しく優しい。木々は輝き、水は穏やかに、足元では、落ち葉がカサコソと語りかけて来る。決して一人ではない。どこからか囀りが聞こえてくる。優しい日差しが私を暖かく包んでいる。ゆっくりと山道を登っていく。時折、苔の生えた倒木に腰をおろして深々と深呼吸。里山のやさしさ、暖かさは、私の心を癒してくれる。いつまでも此処に留まっていたい気持ちに駆られる。そして、私は暖かいコーヒーを口にした。