茨城県御前山。苔が見たくて出かけた。古くから人の手が入った森。樹齢数百年の杉の大木がそびえている。一歩、足を踏み入れると、そこはもう深淵の森。山の神が住む森。足元には、しっとりと水分を含んだ深い緑のじゅうたんの苔。ルーペを出して覗いてみる。そこには日常とはかけ離れた別世界が広がっている。ふと枯れた苔を見つけた。私の心に不安な気持ちが湧いてきた。